尾崎豊の世界 愛と自由の原点
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『 尾崎豊が目指したものは 『 絶対の愛 』 と 『 絶対の自由 』 だった。しかし現実社会では、愛とは与えるもので、自由とは他者から奪うことの方が多く、両者は成立しにくい反対概念であるということに、尾崎豊は成長するにつれて気づいていった。 』 
(尾崎豊の父 健一氏 談) 掲載サイト

愛というかたちのないものを強く信じ、歌い続けた尾崎豊。その純粋な感性の原点は、2歳の頃、母親に読み聞かされた絵本、『難破船の少年』という物語だったという。

【難破船の少年】 あらすじ

貧しさから売られてしまい、久しぶりに親に会いに行く途中の少女と、両親を亡くし、仕事を探しに行く旅の途中だった少年がある船の上で出会う。
お互いの身の上話をし、少しずつ心打ち解けたころ、突然嵐が訪れる。船が波にのまれ沈没していく中、乗客たちは救命ボートに次々と乗り込むが、とうとうボートに乗れるのは残り一人となった。
傾く船にまだ残っていた少年と少女だったが、少年は少女をボートに乗せ自分は沈みかかる船に残る。
『僕にはもう親はいない。君には親がいて君のことを待っているんだ。幸せに。』そういって少女に手を振った。
船とともに沈んでゆく少年を、少女はじっと見つめていた。

(※この難破船の少年という物語は、現在はクオーレ (平凡社ライブラリー) という本の一篇『遭難』として読むことができる)

「この物語は死を選んで少女を助けた少年の愛と、愛によって助けられた少女の悲哀を僕の心に刻み込んだ」 と後に尾崎豊は語っている。当時2歳の尾崎豊がうけたこの衝動が、『利他の愛』 『自己犠牲の精神』 という彼の生涯の感性の基盤になったといえるだろう。

しかし、尾崎豊自身、真っすぐに愛すること、『真実』を探し歌いつづけることは、大人になるほど苦しくなっていくと自覚していく。尾崎豊の最後のアルバム『放熱への証』の収録曲『贖罪(しょくざい)』で彼はこう歌っている。

『 すこしづつ言葉を無くしていく僕がいる
僕は知っていた  これが僕の暮らしだと 』
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